こんにちはー。Takaharaです。今日は暑くなりそうですね。
さて、6月8日に行われた勉強会の報告です。参加者は進行役を含めて5名でした。勉強会を終えて思うことは、さまざまな背景をもち、個性をもったプラク ティショナーがセッションで経験していることを分かち合うことは、そのこと自体に大きな価値があるということです。
フラワーエッセンス療法のプラクティショナーはさまざまな教育背景をもっていて、セッションについてのある程度の共通認識のようなものが確立されているとはいいがたいような現状があると思います。まあ、それはそれでよさもあると思いますが、自分のやっていること以外に意識が及ばなかったり、他のプラクティショナーがどのようなセッションをしていて、どんなことに取り組んでいるのかを知らないでいることは、物凄くもった いないし、第一にクライエントにとって利益にならないと思います。自分のセッションを閉じられた世界にしてしまわないために、今回のような勉強会の重要さを改めて感じました。
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内容報告
事前の設問について意見を交換する形で共感について話し合いました。以下話し合いの中でシェアされたことを列挙します。
1. FBの「いいね!」は共感か?
・FBの「いいね」は必ずしも共感とは限らない。「シェア」の方が共感に近いのではないか。
・一般的に日常会話で使われる「共感」とセッションの場で使われる「共感」は少し違いがあるように思う。
・共感は肩を組んで一緒にいる感じ。
・共感は響くものがあるという感じ。
・共感と同感の違い。共感は「共に感じる」ことに、同感は意見を同じくすることに重点が置かれるように思う。
・セッションでの「共感」(的態度)はクライエントを「わかろうとする」行為。
・共感には「聴く力」が必要。
・共感は自分の世界を出て、クライエントの世界に触れたとき。
★話し合いの中で、プラクティショナーが「自己開示」することについても話題になりました。基本的には自分のプライベートや自分の考えをいったん横においてクライエントに向き合う姿勢が必要。ただ、そうしたときにプラクティショナーがセッションの中で「生きて」いないといけない。プラクティショナーの役割に縛られて自由さを失ってしまうのはもったいない。そう考えると、自己開示が必ずしもクライエントのためにならないともいいきれない。自己開示がプラクティショナー自身のニーズを満たそうとするものでないかどうか検証していく必要がある。
2. セッションで、共感することが難しいクライエントはどんなクライエントですか。クライエントに共感できないと感じるとき、どうしますか?
・共感することがむずかしいクライエント、受容することが難しいクライエントのときは「イライラ」している自分の逆転移に気づく。
・あまりクライエントの話をわからないと思うことは少ない。
・共感したり、受容したりするのが難しいクライエントのときは、わかろうとする態度、共感しようとする態度を続ける。
・自分とは育ってきた環境や、経験してきたことの違うクライエントのことはわからなくて自然かも。けれども、目の前にいるクライエントが感じていることを感じることはできる。
・共感することが難しいと感じるとき、逆転移を調べる。その感情がプラクティショナー自身の傷つきに関連していないかどうかを内省し、もしそうであるならプラクティショナーは自分の逆転移の無意識的な部分に光を当てて、自分自身の癒しに取り組む。そのことは結果的にクライエントとを理解するのに役立つ。
・共感できたと感じたときも、できなかったと感じたときも、それがプラクティショナー自身の影にどのようにかかわっているかを意識しておく必要がある。
3. たとえば、プラクティショナーがずっと母親との関係で悩んできたという経緯があって、同じように母親との関係に悩むクライエントが来た場合、クライエントのことがよく理解でき、その気持ちが我ことのように感じられたとします。これは共感と言えるでしょうか?
・自分のテーマだと思っていることと同じテーマをもっているクライエントがやってくることはよく経験する。
・そのようなときに自分の経験を話したくなることがある(自己開示:自分のニーズを満たそうとしていないかを検証する)。
・直接話すことはしないが、クライエントのヒントになるようなことを提示することがある。クライエントは解決の糸口や答えを求めてセッションにやってくるわけで、そうでないなら友達と話していればいいのだから、プラクティショナーとして持って帰れるものを提示するようにしている。
・プラクティショナーと友達の違いは、話したことについて、「私はこう思うよ」とか、何かアドバイスしたりしない、意見したりしないで、そのまま聴くことだから、そのためにセッションにくるクライエントもいると思う。
・自分と同じような経験をしていたり、同じようなテーマを持っていたりすると感じるクライエントの場合は、共感しやすいと感じるが、そのあとのクライエントとの「距離」をどう保つかに注意する必要を感じる。
・プラクティショナーの逆転移として、物凄く共感できると感じるクライエントも、とても共感することが難しいと感じるクライエントも、どちらも要注意だと意識するようにしている。
・同じようなテーマを経験をしていると感じるとき、それは本当にそうなのだろうか。そのテーマについてプラクティショナーの「思い入れ」が強くて、その「思い入れ」のフィルターを通してクライエントを見ていないだろうか。
・共感は、プラクティショナーが自分の世界観や価値観の中で安全な立ち位置からクライエントを見て、あるいは自分の世界観や価値観の中にクライエントを入れ込んで起こることではなくて、そこを出てクライエントの世界観や価値観そのものに触れたときに起こるのではないか。
・神田橋條治先生の言葉「真の共感が生まれるのは、『思い入れ・思い込み』が描き出した固定したイメージが、なんらかの契機で崩壊して、思いがけない視界がひらけたときです、治療者の体験としては『眼からうろこが落ちた』であり、クライアントの体験としては『通じた』であり、関係の言葉でいうと『出会い』なのです。だからこそ、共感は精神療法でもっとも重要な現象なのです。(「対話精神療法の初心者への手引き」神田橋條治)」
以上です。
次回の勉強会の予定は7/4 フラワーエッセンス勉強会「花との対話」 (東京)です。フラワーエッセンスに興味のある方ならどなたでも参加できます。参加をお待ちしています!